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花粉症対策 運動と免疫の考え方


こんにちは。リハビリテーション科の笠原です。


花粉症対策としては、まず花粉との接触をなるべく避けるために、マスクやメガネなどを使うことが多いと思いますが、実は身体を動かすことも、間接的に花粉症に対する反応を和らげる効果が期待できます。運動がもたらす身体的な変化についていくつか挙げてみましょう。


■身体を温める効果

普段の生活で活動量が減ってしまうと、熱を産生する筋肉を使わなくなってしまうので体温が低下します。身体の抵抗力を高める働きをもつ免疫細胞は、平熱時に比べて低体温状態で過ごしているとその働きが低下し、花粉症などのアレルギー反応を引き起こしやすくなることが懸念されます。


■筋肉を使うことで基礎代謝を上げる効果

運動を行うと筋肉が伸び縮みを繰り返し、身体の中から熱を生み出して基礎代謝が高まります。基礎代謝量がアップすると血液循環がよくなって身体が温まることはもちろん、エネルギーを生み出す際に出る余分な水分を体外に排出する働きが高まります。鼻水や鼻づまりなどの症状をやわらげ、鼻やのどの粘膜を乾燥から守ることで花粉による刺激を軽減させることが期待できます。


■運動によるストレス解消効果

精神的なストレスは筋肉を緊張させて血流を悪くしてしまい、鼻やのどの粘膜を乾燥させます。粘膜が乾燥した状態では異物を排除することが難しく、粘膜内に花粉やウイルスが侵入しやすくなり、花粉症を引き起こしたり、インフルエンザなどの感染症にかかりやすくなったりします。運動をすると精神を安定させるセロトニンというホルモンが多く分泌されるため、身体を動かすと気分がスッキリし、ストレス解消に役立ちます。


■生活リズムを整える

睡眠不足を始めとする生活リズムの乱れは、身体の免疫力を低下させますが、日中に適度に身体を動かすことは、自然な入眠を促しやすくなります。規則正しい生活を送るためにも運動は生活の一部として取り入れることが大切です。


上記ポイントを踏まえると、肩甲骨や首から肩、表情筋を含めた目元周囲の筋肉を動かし、血流を良くすることが花粉症対策の運動になりそうですね。

花粉がつらいからといって身体を動かさない状態が続いてしまうと、身体の免疫力は低下しやすく、さらに症状が悪化することにもなりかねません。運動効果を最大限に活かすためにも、ぜひ出来ることから身体を動かすようにしてみましょう。


今後ともリハビリテーション科を宜しくお願いいたします。


<参考>

※ 馬場廣太郎ほか 鼻アレルギーの全国疫学調査2008(1998年との比較) ― 耳鼻咽喉科医およびその家族を対象として ― Prog. Med. 28:2001-2012,2008

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